説明
本セッションは、建設業と製造業をつなぐデジタル改革に関する内容になります。 初めに、東芝エレベータがBIMやDE・DXに取り組む背景について紹介を行い、製造業の立場から見た建設業のデジタル化の取り組み状況やBIMの抱える課題、現在の製造業のBIMの推進状況(BIMライブラリ整備・設計BIM・施工BIM)などを共有します。 次に、東芝エレベータがBIM並行して進めてきた、自社業務の生産性を高める社内プロセス改革について紹介します。営業設計業務の3D化を目的としてRevitを導入してから10年、営業設計業務の3D化を定着しました。当初は2Dと3Dの併用が課題でしたが、BIMモデル検査を取り入れ、手配業務に属性情報をつなげるなど、3Dモデル(データ)を中心とした業務プロセスへの変革を進めています。現在では、社内に多くの3Dデータ資産が蓄積され始め、今後はこれらのデジタル資産を活用したフェーズへと展開していく計画です。設計のさらなるRPA化、販売から工場へ一気通貫したものづくり、施工連携、保守、改修フェーズでのデジタル活用について、現在の取り組み状況を実例を交えて紹介します。 一方で、建設業はBIMが普及しましたが、製造業との業務プロセスは従来と大きく変わっていない課題があります。製造業がBIMに期待していた、建設業と製造業が「デジタルtoデジタル」でつながるプロセスは、まだ実現できていない現状です。東芝エレベータでは、「建設業とのつなぎの生産性向上」を目指して、2020年に、Single Source of Truth をコンセプトに開発した「BIMクラウドシステム」の運用を始めました。製造業が考えた建設業と製造業をデータでつなぐコンセプトの説明と、RevitやForgeの技術を利用し開発されたシステムの事例紹介を行います。 最後に、建設業と製造業の目指す将来ビジョンについてお話します。今後、BIMがより拡大・進化し建設業全体で生産性を高めていくためには、建設業と製造業がデータで合意形成を行う業務プロセスの変革が必要であると考えます。建設業と製造業がそれぞれ進めるBIM・DE・DXの取組みが重り合えば、スケールメリットが高まります。製造業が期待するBIMモデル承認など、建設業と製造業がデータでつながる近未来のプロセスをどのように実現していけば良いのかお話しします。
主な学習内容
- 製造業のBIMの現状
- 製造業としての取り組みの姿
- 使用しているオートデスク製品・技術の活用事例
- 建設業と製造業が今後目指していくデータ連携の姿